激走!三浦国際市民マラソン【レース編】

三浦国際市民マラソン計測モノタグ ランニング

3か月前にテレビの影響を受け、目指し始めた三浦国際市民マラソン。
ついに3月3日(日)の当日を迎えました。
順調にスタートまでの時間を過ごし、ついに走るのみとなりました!

スタート前まではこちら→ 激走!三浦国際市民マラソン【スタート直前編】

この記事では、ハーフマラソンに出場したいと思っている方三浦国際市民マラソンに興味のある方へ向けて、「三浦国際市民マラソン、当日の様子(レース)」をざっくりお伝えします。

スタート

天候は晴れ、気温は5.9℃、風速4.5m。
音楽がかかり、DJがカウントダウンで盛り上げる中、スタートの号砲が鳴りました。
その音にはじかれるように、私は颯爽さっそうと走り出しました。

……なんてことはなく、スタートしても何一つ変わらず、自動販売機みたいにこの街にボーっと突っ立っていました。
なんせ私は完走予想タイム2:20~3:00のグループです。
スタートするのは8番目。後ろも後ろのほうなのです。

スタート位置の様子? まったく分かりません。
スタートの号砲? まったく聞こえません。
前ではいったい何が起こっているやら?

まだあわてるような時間じゃない。
気持ちを落ち着かせ、その場で足踏みしていると、少しずつ歩き出し、だんだんと速くなり、やがてジョグに変わりました。
そして、スタート時間から8分後、ようやくスタートを通過しました。
空気で膨らんだアーチを下から眺めながら、走っていきます。

スタートを通過するときに、忘れずにストップウォッチのボタンを押しました。
スタート時間(9時)と実際に通過するまでにラグがあるので、スタート時間からの逆算では正確なペースは分からないからです。
ただ、制限時間の3時間は9時からの話になるので、注意が必要です。
例えば、私がストップウォッチのタイムで2時間55分で走ったとしても、そこには8分間のロスがあるので、完走にはいたりません。

12時の時刻で否応なく締め切られ、まだ走っている者は運営の人が逃走中のハンターみたいに捕まえに来ます(※ イメージ)。

1キロ ~ 5キロ地点

予習していた通り、初めは平坦でした。
周囲にはランナーがたくさんいますが、走りづらくはありません。
それもそのはず、みんな同じペースだからです。
これはまさに歌謡曲かようきょくばし!(歌謡曲のようにゆったりしたペースで走ること。1キロ
7~8分くらい
心地よいし、怪我をしているひざにも良いです。
なんだなんだ、皆さんも歌謡曲かようきょくランナーだったんですね
完走予想タイムを盛らなくて良かったと心底思いました。

沿道からはたくさんの「頑張れー!」の声が届きます。
見ず知らずのランナーに応援をくれる三浦の人々は心優しいです。

2キロちょっと走って右折すると、道幅が狭くなり上り始めます。
内陸の山っぽい風景になる中、けっこうな坂が待ち受けます。

3キロ地点から5キロの岩堂山いわどうやままでは完全に上りです。
斜度もそれなりにあるので、もはやプチ登山です。
視界は開けているため、自分の向かっていく先が激坂げきざかであると嫌でも認識させられますが、めげずにえっちらおっちらのぼっていきます。
途中で早くも歩きそうになりながらも(上りは歩いている方もたくさんいます)、伸びをしたり、緑の景色を眺めたりしながら、なんとか岩堂山いわどうやまを制しました。
岩堂山を制する者は三浦国際市民マラソンを制す(とか制さないとか)。

晴れていて良かったです。雨だったら心折れていました。
次男で良かったです。三男だったら、引き返していました。

5 ~ 10キロ地点

最難関と予測していた岩堂山を制したところで、まだまだ足は残っていました。
距離的には4分の1なので、残ってなきゃ困るんですが、無理をしない歌謡曲走りのたまものです。

岩堂山からは一気に下りになります。

「こっからの景色はいいですよ~」

沿道の方から声をかけていただき、楽しみにしていると、あたり一面がキャベツ畑でした。
その真ん中の一本道を突っ切っていきます。

ちょっと、この景色……最高じゃ~ないですか!

上りのあとの下りや平地なので足も軽い軽い。
リフレッシュしながら進んでいくと、6キロ過ぎの給水所が見えました。
立っているのぼりには、なんとスポーツドリンクの文字が!

水もありましたが、迷わず、スポーツドリンクの紙コップを取りました。
まさかあるとは思わなかったスポドリ!
6キロ走った後に飲むと、めちゃめちゃ旨かったです。
時間が許すならば小一時間こいちじかんのんびりしていきたいところですが、レース中なので泣く泣く先へ進みます。

海沿いの道(県道215号)に出ると、狭い道の真ん中が三角コーンで仕切られいました。
右折して城ヶ島じょうがしまを目指しますが、その反対レーンではすでに城ヶ島から戻ってきたランナーたちがたくさんいます。
私が6.5キロ走った時点で、もう11キロ以上走っているのだから、凄いの一言です。

64ろくよんのマリオカートみたいに反対のコースにグイッと乗り越える裏ワザは使わず、地道に走っていきます。
1キロくらいすると城ヶ島へと渡る城ヶ島大橋じょうがしまおおはしに入ります。
景色を眺めながら、大きな橋を堂々と走っていきます。
マラソンコースで島を渡れるって面白いですね。

橋を渡り終えると、一気に下りです。
「ここ折り返しなのに、こんなに下って大丈夫?」
ってくらい下ります。
給水所やトイレがありますが、ここはスルーし、大きなコーンで折り返し。
案の上、下ったばかりの道をめっちゃ上っていきます。

10 ~ 15キロ地点

城ヶ島大橋じょうがしまおおおはしを引き返していると、中間地点の文字がありました。
これまでも1キロごとに表示があるので、時計を見ながらペースを確認していたのですが、この表示は元気が出ます。
中間地点の通過は1時間17分キロ7分30秒のペースです。
アップダウンが過酷だったことを考えれば、かなりいいペースです。

「後半頑張れば、ひょっとして2時間半切れるんじゃない?」

そんな考えもよぎり、塩羊かんタブレッツ(※ 複数形だけど、食べたのは一つなので正確にはタブレット)でチャージしてから少しペースを上げました。

海沿いの県道215号は折り返しの関係で半分に分けられているところまでは狭いのですが、それ以降は道幅が広くなります。

風力発電の風車を間近で見ることができ、三浦の海を眺める景色も良いです。
12キロ過ぎの給水所で2回目のスポドリを補給をし、先へ進みます。
トイレには行きませんでした。
少しだけ並んでいたので、尿意がなくて助かりました。

13キロ過ぎ、毘沙門湾びしゃもんわんへの下りを走っている最中でした。

あれっ、まさか……横っ腹が痛い!

冷たいスポドリを一気にいったのがまずかったのか。
まだ全然途中なのに、仕事の後の一杯みたいに飲み干してしまいました。
左のほうのお腹がグググと痛みます。
立ち止まるほどではないので、とりあえず、そこを押さえながら、走っていきます。

200m以上ある毘沙門びしゃもんトンネルを抜け、15キロ地点になる頃におさまりました。
どうなることかと思いましたが、お腹の痛みは耐えているとおさまってくれることがあるので、今回のがそれで良かったです。

15キロ地点 ~ ゴール

15キロを過ぎたころには、全然足が残ってませんでした。
ペースはそれほど落ちていませんが、足が重いな~って感じです。

周りのランナーたちもそんな感じでした。
歩いたり、下を向いたり。皆きつそうに走っています。

沿道からは「がんばれ~」の声援があります。
このマラソンは沿道や運営の方からの声援が本当に多く、助けられます。
三浦の人々は心優しいです。
目の前で応援されると、私の見栄っ張りスイッチがONになり、シャキッと走るようになります。

16キロ前後のプチ登山もなんとかしのぎ、最後の給水所では念願のたくわんをゲットしました。
紙コップに2切れ入っていましたが、めちゃめちゃ旨い。
汗でなくなった塩分が戻ってきます。

残り4.5キロくらいは、ただただ耐えていく感じでした。
心配していた腸脛靭帯炎ちょうけいじんたいえんが悪いというわけではないのですが、足が全然進みません。
最後ある大きな下りを足を投げ出すように走り、平地を1キロくらい進んでいくとようやく見慣れた光景が目に入ってきます。

19キロ地点、運営の市の職員さんに「ラストだよ、信号全部青だよ~」と声をかけられ、思わず笑みがこぼれます。
20キロ地点、2時間前にここを通過したときは余裕だったな~、なんて回顧かいこします。

そして、ついに、ゴール地点!!
DJが叫んでいます。

「最後はバンザイでゴールしよう!」

恥ずかしさと達成感半々のバンザイを繰り出しながら、ゴールしました。
ストップウォッチのタイムは2時間29分。ギリッギリ 余裕の2時間半切りです。

ゴール後

ゴール後は足がガクガクプルプルですが、なんとか小鹿こじかのように歩ける感じでした。
テーピングが効いたのか、ひざは痛くありません。

キリンIMUSEが一人1本配られました。
給水所のスポドリといい、こちらも知らなかったので嬉しです。

立派な大根を1本、エクアドル産のバナナを2本もらいます。
大根はそれ専用の袋とともにもらえ、バナナはその場で食べられるようゴミ袋も設置されている神対応です。
大会看板の前でのフォトスポットが用意されているのですが、長蛇の列だったので華麗にスルーしました。
写真を撮る余裕なんて微塵みじん 思い出は心に残しておくタイプです。

走っていないと、汗もかいて風のある砂浜は結構寒いです。
内臓がダメージを受けているようで、ゲップも止まりません。
早々に荷物預り、更衣室へと向かいます。

まさに満身創痍まんしんそういといった状態ですが、無事に完走できて一安心です。
3か月前、練習よりも先ににエントリーしたときはこうも上手くいくとは思いませんでした。
スローモーションのようにゆっくり着替えるテントの中で、一人達成感にひたるのでした。

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